nokatachi

2025/10/30 07:22


収穫祭で好評だったお茶で、味付けしたおこわを改めて試作した。

親戚の婆さんと母が毎年拾ってくる、近所の山の栗の木の実が冷凍庫に保存されていたので、それも使うことにした。親戚の婆さんからはこの頃に、栗拾いにこい。と電話がかかってくる。落ちた栗を採集するため放置していると虫が食べてしまう。ちなみにおこわで使うもち米はこの婆さんの隣の農家さんから直接買っている。


さらに、昨年採集して乾燥保存しておいたムラサキヤマドリタケとオニイグチモドキが、冷蔵庫の奥から見つかり加えた。

好評だったお茶は、クロモジ・ブナ・モミをお湯で煮出したブレンド茶である。
普段から爽やかな香りがするクロモジ茶はよく飲むが、そこにブナを加えると香ばしく甘い香りが際立ち、さらにモミの漢方的な香りとほのかな苦味が深みを与えてくれる。

今回、おこわを「お茶で味付けする」つもりでいたにも関わらず、調理を始めるとブレンド茶の存在をすっかり忘れてしまっていた。途中で思い出し、ブナだけを煮出して、おこわが蒸し上がったあとに混ぜ合わせた。

朝は霜が残る季節になり、蒸し器の湯気はいつもよりも白く立ちのぼっていた。
おこわは、キノコの戻し汁・みりん・塩を生のもち米に合わせ、使い勝手の良いアルミ製のセイロで蒸して仕上げている。蒸し終えたあとで茶を混ぜるほうが、もち米のもちっとした食感が引き立った。


後日。
西川町の細谷さんの畑へ、お茶をしに伺った。畑の栗は落ち切っていて、栗のイガは隅に寄せられていた。

阿部さんたちにも声をかけ、当日は細谷さんが呼んだ佐藤さんもいて、にぎやかな集まりになった。

細谷さんとは時々、畑でお茶をするが、今回は料理を持参した。
おこわに加え、揚げたじゃがいもと自家製マヨネーズに、塩漬けアスパラガスの旨味調味料(バーニャオイル)をつけて食べることに今更ながらハマっていることもあり、それらをみんなで味わった。

細谷さんが用意してくれた蒸し栗や雪待ち人参のコンフィを食べながら、佐藤さんが郷土料理を習いに知り合いの婆さんに、やたら漬けを一年かけて伝授してもらったことや、やたら漬けの言葉の意味、阿部さんたちの土間の延長に畑さらには山を射程に入れた使い方など、郷土料理の話に花が咲いた。

その後、畑をまわりながらお土産の収穫もし、熊棚の話にもなった。スコップの話や天然干し柿のシャーベットの話など、どれも心に残る話だった。

帰り際には3種類のじゃがいもをいただき、揚げじゃがいもに適した品種を食べ比べを試作した。キタアカリはホクホクとして、揚げた表面との食感の対比がよく、最も相性がよかった。

細谷さんの畑との関わり方を、外気温と霜、雪が降った後の土の温度、それに作用する人参の態度の変化を、雪待ち人参の霜に当たり切る前の爽やかさで味わった栗茶会だった。