nokatachi

2022/01/05 16:06


photo 森さん。武田さん達と第1回目の会


畑でご飯会(5月)

今年に入ってから、畑で5回のご飯会を開いた。
その場で収穫したアスパラガスを天ぷらにして食べる。ただそれだけの、シンプルな集まり。
けれど、回を重ねるごとに、それぞれに異なる風景が生まれた。

遠方から来てくれた友人たちは、土に触れ、収穫の喜びを分かち合いながら、その空間と時間を丸ごと味わってくれる。
それは私たちにとって、畑という日常を、誰かと一緒に再発見する機会でもあった。

このご飯会は、単なる交流イベントではない。
アスパラガスの収穫期に人手が不足していくという、現実的な課題に対して、楽しさで応える工夫でもある。
文化人類学者・波平恵美子さんの言葉を借りれば、「祭り」は危機管理のひとつのかたち。
畑で食べるという行為の中に、自然の恵みへの敬意と、今ここで生きている喜びが宿っていた。

外で食べるということは、風を受け、虫たちと共にテーブルを囲むことでもある。
アスパラガスを頬張りながら隣の畑を眺め、山菜を味わいながら、その山を見上げる。
そんな素朴な時間に、来てくれた人たちは心を動かされる。
それを見る私たちも、また嬉しくなる。

私たちにとって当たり前の日常が、誰かにとっての忘れがたい時間になる。
そのことに気づかせてもらえるのが、この「畑でご飯会」だった。
見慣れた風景の中に、無意識のうちに見過ごしていた大事なことが浮かび上がる。
その発見こそが、私たち自身の成長の糧になっていく。